パンフレットと案内チラシには、K君は準主役級で2役で出演だ。
幕が開いたとたんに閻魔大王役のK君がいきなり舞台中央に立ったので、セリフが大丈夫かみんな心配した。
うーん、見た目舞台映えする。
セリフはまだまだ発声練習の必要あり。でも、えんま大王役だから、ただ威張って偉そうにしていればいいのだから、様にはなっている。
ストーリーの展開がイマイチ判りずらい。
K君は海軍中将役でも、最後まで出ずっぱりで、観る方も居眠りしていられない。
海軍中将の役も感情移入とかしないで威張って命令していれば良いから彼にはぴったりだ。
2時間ぐらいで終わったが、我らの感想の第一声は「ウーン、立派だった。よくやった! K君すごかったね。」だったが。
楽屋裏に彼を訪ねると、ファン?か知り合いかに取り囲まれて、花束なんかをもらっている。
ホールの入り口にも「Kさんのファンクラブより」の大きな花束がいくつも飾られていた。
もうファンクラブがあるんだ。
私たちだけでホールの前にある、鍋物の居酒屋で飲んでいるとKに伝えたら、あとから着替えて合流すると言う。
K君が来る前に我ら4人は、最初は良かったねと褒めていたのだが、だんだんに発声に難あり、とか、シナリオのストーリー展開が盛り上がりに欠けるとか、K子なんかは「学芸会的じゃあなかった?、出演者が多すぎる。」と言い始めた。
「サスペンスか喜劇か、人情ものか恋愛ものかジャンルで分けるとなんだろう?」とか。
そしたら皆で、「そう、そう。」ってことになって、「K君が来てもそんなこと言っちゃあダメだよ。」と口裏を合わせることになった。
我らは芝居には素人だけど、鑑賞眼だけは結構厳しいものがある。
それでだんだんに辛辣な批評になったってしまったが、K君が遅れてお店に来たときは、皆で「よかったよー。」と生ビールで乾杯した。
どうであっても、みんな元気で、楽しい晩が送れてスゴクよかったことは確かだ。
クラスメート5人なので、やたら盛り上がって、だんだん本音も出たが、でもK君のおかげで楽しい夜になった。
ラベル:友だち