美術系のアーティストの友人達が、高齢化している。
友達に逢うと、チョットした嘆きの声を聞く。
独身のまま、または結婚しているが子供がいないカップルまたは結婚しないがパートナーと暮らしているカップル。
みんな自由に創作活動に邁進してきた。だからそれなりに今までの自分の道に満足しているのだが、年齢を重ねるとちょっと状況が違ってくる。
結局今の自分でない状況ならもっと違った人生があったのだろうかとふと考えるのだ。
それは後悔しているのとも違うが、誰でも年老いることに戸惑っているのは確かだ。
ギンギンに燃えて誰も踏み出さない未知の領域に迫ろうとしていた以前の自分の芸術に対して、その情熱も燃え尽きそうな今をどうやってやり過ごすのか?
やり過ごせるものなのか? 朽ち果てるのか?
自分のアート活動をどのように進めるのか又は閉じるのか?
大きな立体作品、彫刻、陶芸などはいつまで作れるのか又は止めるのか?
体力のいるインスタレーション作品をどう続けていくのか?
大画面の平面の絵画をどのように保存するのか又は処分するのか?
自分の人生のアートな生活は壮大な時間とお金の無駄だったのか?
自分が死んだら、全てがゴミになるのだろうか? (もちろんほとんどがそうだろうが)
人間死んだらゴミになるとある法律家が言っていたよね。
人間ばかりでなく残ったものは全てゴミ?
みんな悩みは尽きない。
やっぱり堅気の仕事をして、年金生活で老後を暮らすのが一番の安心なのか?
老アーティストたちは悔やんでいる風でもないが、腕組み王女から見たら幸福そうにも見えない。
王女もそういう一人に過ぎないが強く感じてしまう、年齢のせいなのか?
つぎつぎ生活を縮小している人も多く、都心から東京のはずれに引っ越した人や地方の残された実家に戻ったアーティストもいる。
展覧会の時だけ在京という人はまだまだやる気満々の方だ。
日だまりの廊下で猫でも抱いてうつらうつらしているような老人は今どきいないだろうが「そういうのもいいよね」と一人暮らしのアーティストはそんな夢を見るのかもしれない。
いっそ孤独死がいいと誰かが言っていた。
救いはそれでもみんな信じられないほど心が若いこと。 ばかばかしくて笑っちゃうような連中ばかりなこと。
腕組み王女よりずーっと若いインスタレーション作家の友達に会って、そんなことを感じた今日この頃だった。
エーイ、今日のところは酒でも飲んで寝るしかないか!
posted by アメリカハナミズキ at 17:07|
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