「お姉さん、出かけるには髪をなんとかしなきゃァね」
「今、ブラシを探しているのよ。」
「お姉さん、髪をとかしたら何かで結わいたほうがいいわよ。」
「そうね、その辺にゴムがあったわね。」
「あら、外に行くのに輪ゴムじゃおかしいわ。」
「それより何を着て行ったらいい?」
これはどうかしら?アレはどうかしら?何十分経っても決まらないから、腕組み王女も服選びを手伝った。
上は決まったけどズボンが大きすぎて長すぎだ。
「お姉さん、ベルトをすればいいのよ。」
「そうね、ベルトだわ。ベルトはどこかしら?ヒモでもいいわね。」
ところで駅のスイカはあるの?と腕組み王女が聞いた。
「電車に乗らないから無いわ。」
駅で切符を買うのも大仕事になりそう。
一緒に出かけるまであと何時間かかるの?
「お姉さん、気持ちが悪いの?大丈夫かしら?姉は緊張すると気持ちが悪くなるのよ。」
「じゃあ、今日は私一人でお墓参りに行きましょうか?」と王女。
ホッとしたように、渡りに船って感じで「そうしてくださる?ところでどこに行らっしゃるの?あぁ、お墓参りだったかしら?
せっかくお迎えに来て下さったのに悪いわね。」
二人の姉妹は自分の年齢も全然間違っている。
いくら正しい年齢を言っても信じない。
それで腕組み王女は一人でR先生のお墓参りに行った。
雨が降ってきて、その友だち連れでなくて良かったと思った。
もう会うのもこれが最後かもと、しっかりハグして別れた。
人間は老いる。
posted by アメリカハナミズキ at 17:22|
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