記録魔の腕組み王女はお粗末な画歴を丹念につけている。
年号、月日、展覧会名、場所、出品作品名とサイズなど、別に英文画歴も作っている。
誰が見るわけでもない。
そしてこれまでにかかった費用と領収証は別ノートにぎっしり。
制作にかけた費用と年月に比べて、雀の涙ほどの作品売り上げの一覧表とお買い上げ先も。
そうそう、作品贈呈先の学校や病院なども色を変えて記入している。
つい2,3年が経ってしまって、たまに更新するとえらく時間がかかる。
腕組み王女の職業が泥棒だったら、事細かく年月日、侵入先の住所や名前、盗んだ金額など丹念に書き記しておくだろう。
だから警察に捕まったら洗いざらい余罪が解明されてしまう。
こういうのを性分というんだろうね、泥棒にはなっちゃダメだ。