2021年07月10日
「サピエンス全史」完読
久しぶりで読み応えのあるホモ・サピエンスの暦史を2週間で読んだ。
7万年前あたりから生き残った唯一の人類種がなぜ食物連鎖の頂点に立ち万物の霊長(この言葉は少し恥ずかしい)となり、地球を支配するに至ったか?
他の動物を圧倒したのが想像力だ!(ってところは人間たる所以で嬉しくなる)架空の事象について語れるようになった。
1万2000年前に「農業革命」で狩猟採集していた小集団から農耕による人口増加が始まった。
客観的な現実の世界だけでなく、主観的な世界、想像の世界にも暮らせるようになった・・・伝説や神話、神々、宗教を生み出し、人々は柔軟に協働する能力を手に入れた。
500年前に始まった「科学革命」で知識の重要性を認識する。・・・長々書いてもしようがない。
さて、サピエンスの未来は?最後の驚きがすごい!
我らは自然選択の法則を打ち破り、生物学的に定められた限界を突破し始めている。(このコロナの時代を見ればわかるよね。)
我らは生物工学、サイボーグ工学、非有機的生命工学のどれも、自然選択の代替えとしうる。
人間の意識とアイデンティティの根本的な変化も起きる段階だ(そうだ)。
未来のテクノロジーは?
コロナ禍、ワクチン騒動を見ていると、サピエンスって素晴らしい動物だがどうしようもないな。
『なぜゲノムを研究するのか?あるいはなぜ脳をコンピューターにつなごうとするのか、コンピューターの内部に心を生み出そうとするのか?・・・下巻のP263より』
サピエンスは止めることができない滝壺に向かってそれとは知らずに流されて行く小舟に乗っているようなものかも・・・っと思ってしまった。
サピエンスの壮大なドラマだが作者(イスラエルの歴史学者ユヴェル・ノア・ハラリ)の文章力や翻訳も良いので、不思議と絶望感もない。
作者は「私たちはなにになりたいか?」ではなく「私たちは何を望みたいか?」かもしれない。(後書きから)これは奥が深いお言葉。
楽しい2週間だったので、もう一回読もう。