2023年07月11日
貴重な今日
あざみ野に住んでいた頃、近所のママ友のHさんがよーく我が家に飛び込んできた。
「腕組みさーん、聞いてくれない、・・・・・」
彼女には抱えきれないほどの悩みがあって、耳タコなのだけど難しいながらも何度もO型の腕組王女は解決策を伝授した。
後になって考えると彼女は解決する気はなく、ただ誰かに深い悩みを同情を持って聞いてもらいたいだけだったのだとわかった。
引っ越しがあったりして、しばらく会えないうちにプッツリ連絡が取れなくなった。
多分40歳ぐらいまでに彼女は病気で死んだんだろう。
いつでも「こう辛くては癌になって早死にするわー。」と冗談に言っていた。
障害児の子供たちも不和の旦那さんとも連絡が取れないから、きっと亡くなったんだと思う。
いつまでもいつまでもそのような日常が続くと思っていたが、あれはほんの10年間ぐらいの交流だったのだ。
今日はロビン・ウィリアムスの有能な妻と3人の子供を愛し過ぎた人間くさい夫の離婚ストーリーを見ていて、ふとHさんのことがありありと思い出された。
いつまでも彼女の愚痴を聞く私はまるで永遠に続く時間のように思われたが、あれは一瞬だったのだ。
今日は5日前に仕込んだ塩麹をミキサーにかけてクリーミィにしてガラス瓶に入れて日付を張った。
友達からもらった沢山のきゅうりを「キュウちゃん」漬けにして、容器に入れて冷蔵した。
何も変わったことがない今日だったが、こんな生活も永遠には続かないのだ。
普通の一日が貴重な一日なのだね。
こんなふうに思えるのは歳をとったせいなのか、コロナ以降なのか?