2023年11月25日
11月25日、第1日目
いつの間にやら11月25日になっていた。
冷蔵庫を開けたら見事に空っぽだった。
野菜室も2週間前に買ったセロリが1本あるだけ。
牛乳もない、バナナもない、ヨーグルトもない、こんなことは引っ越し以来だ。
腕組み殿下はコンビニで「洗いキャベツ」の袋入りなど買って、それで何回か食べられたそうだ。
自家製のコロッケや餃子など冷凍保存していたものは少しずつお食べになったようだ。
でも、味噌汁は作れないので無添加でお湯をかけると出来上がる袋入りが置いてあった。それでも美味しいという。
王女が毎回心を込めて作る味噌汁に愛着はないらしく、そのインスタント味噌汁はお気に入りのようだった。
さ、だんだん一人暮らしも慣れ始めたらもう退院だ。
庭木は植木屋が入ったのでガラーっとして、青空が高い。
何もかも入院時と同じ風景で「11日間の留守」はまるでなかったかのような生活に戻った。
夢を見ていたのだろうか?しかし確かにお腹に傷がある。
2023年11月24日
帰城
朝の最終の血液検査の結果特段の問題がないので、帰宅を許された。
ちょ、ちょっと待って、今日のお昼ご飯から7分粥を卒業して、硬いご飯が出るんですよね。
お昼ご飯は食べたいなー。
食べて帰っていいということで、シャワー浴びて着替えてから病院の最後のランチのハンバーグをいただいた。
腕組み殿下と第一王女様がお迎えに来てくださった。
船旅に出たような一番大きなキャリーカートに全ての荷物を積み込んだ。
結構快適な入院生活をサポートしてくださった看護師さん達に大量のクッキー詰め合わせをナースステーションに置いて、おしゃべりな入院患者のおじいさん達にもご挨拶して腕組み城に戻った。
病院の外に出ると、まるで11日間が過ぎたとも思えない昨日の続きのような風景が広がって、娑婆に戻った感激もない。
昨日の続きのような時間がお城には流れていた。
おかげさまでまわりの皆さんのお祈りと愛が病室に飛んできて、とても安心して過ごせました。
どうもありがとう。
2023年11月23日
奥さん、腹切ったのけ?
廊下をwalkしてたら、ラウンジの大型テレビ📺に時代劇が写っていた。
昔の萬屋錦之介の「鬼平犯科帳」だから座って見ようとしたら、いつもテレビの前にいる髭面の車椅子のおじさん?おじいさん?が陣取っている。
構わず「鬼平」を見ると決めてそばに座ったら、話しかけられた。
「奥さん、どこが悪いの?」「奥さん、七十ぐらいけ?」
生粋の茨城弁は本当にわかりずらい。
その上老人だから声が悪いし、マスクでほとんど毎回聞き返して会話した。
その人はリューマチで車椅子なんだそうだ。
その人は夜眠れないこと、1日に1時間リハビリの歩行訓練を受けること、病院で出るご飯はコシヒカリだから美味しいということだけわかった。
腕組王女はしゃべりに敬語など使わないタメ口だから、親しげに思えるらしく午後もラウンジに来て話そうと何度も何度も言われた。
「わからないよ。気が向いたらね。」と言ったんだが、そう何度も要望されちゃってどうも若くみられたのか?お気楽で話しやすそうにみられたのか。
「腹を切っちゃー可愛そーだったね」ってことらしい。
「ま、癌と言われちゃしょーがない。普通に生活してても、なんだって起きるのだから大したことじゃあ無い」というと、「うんにゃ、それはかわいそーだ。」って力説するのよ。
「だから楽しんでいるの。」って言ったら、「??」痩せ我慢のように取られた?
「何にも起こらないよりなんか変化があったら面白いじゃん。」「??」
「奥さん退院したら何すんだ?」って言われても、別に格段の希望もないし、毎日美味しいもの作って食べるだけだ。
誰かと話したいんだねー。しかし方言は難しくて何度も聞き直しちゃう。