2024年07月20日
同期の桜、死す
I が亡くなったって。
王女の短い会社人生の同期だった。二つ年下のエンジニァだった。
よく喧嘩した相手だ。
彼は高卒だったが上司から引き上げられて、大会社で副社長まで上り詰めた。
20年前にNYで個展をした時に殿下と一緒に彼のレジデンスを訪ねた。
立派なお屋敷で彼は1人でNY暮らしをしていた。
昔、腕組み殿下は彼の上司で定年退職時は部長だった。
しかし彼は上司に目をかけられトントン出世して、NY本社勤めのために、ハーバード大学の聴講生でにわか学歴を付けてもらったそうだ。
他の重役との学歴のバランスをとるために。
当時まだ珍しかった歯の治療でインプラントをやって、「家一軒分のお金がかかった」と言っていた。
上司のお見合いでお寺のお嬢さんと結婚したそうだ。
その奥様はアメリカ生活は馴染まないので、お屋敷で彼は1人仕事をしながら暮らしているのだそうだ。
えー、っと胸を突かれたよ。I いわく、お金はふんだんに使う奥さんだって。
奥さんの兄弟からもアメリカのなんちゃらのゴルフセットを買ってくれとか毛皮をお土産に買ってきてとか注文が多いんだって。・・・これはその時の彼の話だ。
こんなことも思い出した。そのNY個展で彼の知り合いの日本語学校の校長先生が I の紹介だからと「裸の8号の絵」を買ってくれた。
で、今日は殿下の結婚生活は?と思わず聞いてしまった。
同じに金遣いの荒い妻を持った夫ではあるけど、王女はよく「お天道様に顔を向けられない生き方はしないでね。」と言ってたから、殿下は抑制して地味に仕事をしてきた。
I は一概にはわからないが、なんだかかわいそう、いつも1人だったみたい。
アルツ女王様によく言われていたことは「夫婦はいつも一緒にいなければダメ。」と。出世より美味しいご飯が大事よ。
I の妻は夫を1人アメリカに残して。
彼は生き馬の目を抜く大会社のNY本社で実力以上の仕事で毎日戦っていたのだ。
合掌
一人遠くで頑張っていたのは誰のために?なの。
大変な仕事をしていたのに、側でみていないから解らないのだろうね。
でもきっと 仕事では幸せだったんだと思うよ
しあわせは ご本人のものだから 計り知れない
なんのために生きるかと聞いたら 家の夫さんは働くためだって 働くって何と聞いたら 普通にやっている金を稼ぐのもそうだけれど 山で木を切ったり道を作ったり
草を刈ったりだって よかったよかった まいにちが幸せなんだね